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月経困難症の中で特にめだつのが月経痛です。そして「月経痛はあるのが当たり前だから、医療機関には相談せずに市販の痛み止めで済ませよう」という女性はまだまだ多くおられます。
しかし、月経痛(生理痛)によって日常生活に何らかの支障が生じているのならば月経困難症の可能性があります。そもそも「鎮痛剤が手放せない」「月経痛で寝込んでしまう」というような「日常生活に支障がある」状態であれば、それは病気だと考えて良いのです。
我慢せず、婦人科を受診しましょう。
月経痛が起きる原因は、おおまかに2つに分けられます。
子宮や卵巣の病気が原因になっているケースです。
・子宮内膜症
・子宮筋腫
・子宮腺筋症 など
こちらの場合はピルやホルモン剤の服用、もしくは手術などで根本的な原因を解決する必要があります。
子宮内膜症のひとつである卵巣のう腫は、年齢やサイズによってはがん化するおそれもあります。「たかが月経痛」と考えず、困っているのであれば婦人科を受診しましょう。
子宮の強い収縮が原因となる場合です。こちらのポイントは「子宮内膜症などの病気がない」ことです。初めての月経(初潮・初経)が来てまもない頃は子宮や卵巣が未成熟であり、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンが子宮を過剰に収縮させている可能性があります。
また環境の変化などに特に敏感な思春期だけに限らず、社会人になってからも仕事のストレスなどが原因になっているケースもあります。
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月経前症候群(PMS)は、月経の3~10日ほど前から始まる、さまざまな精神的・身体的な不調を言います。
月経前症候群(PMS)では、ストレスが強いとそれに伴って症状も強くなります。リラックスしやすい環境を整える、不規則な生活をしないなどのライフスタイルの改善が、PMSの改善・軽減につながります。
またどうしても症状がひどく日常生活に支障が出る場合は、低用量ピル、漢方薬、サプリメントなどを処方することもあります。無理に我慢せず、婦人科で相談することが大切です。
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通常、月経の周期は25日~38日くらい、月経そのものの期間は3日~7日ほどが目安です。一週間ほどのずれはほとんど問題ありません。
しかし月経の周期が一定ではない、月経の期間が1〜2日と短い、もしくは8日以上と長いなどの症状がある場合は、月経不順となります。
またレバー状の血の塊が出る場合は、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮頸がんや子宮体がんなどの病気が原因になっていることもあります。婦人科で超音波検査などを受け、しっかりと診断をつけるようにしましょう。
月経以外に性器から出血が起こることを不正出血と言います。
鮮血や茶色っぽい血が出る場合や、おりものに血が混ざったような場合も不正出血に当たります。
排卵期に起こる際の中間期出血など病気ではないものもありますが、中には卵巣機能不全、子宮頸がんや子宮体がんなどの重大な病気が原因になっていることもあるため、注意が必要です。
何度も症状が見られる場合は、婦人科にかならず相談しましょう。
おりものは成熟した女性であれば誰にでもある、子宮、膣、汗腺からの分泌物が混じりあった粘性のある液体です。
個人差はありますが、正常なおりものの色は半透明から白っぽい色、もしくはクリーム色です。下着などについて乾くと黄色っぽくなります。
排卵日の前後にピンク色や茶褐色のおりものが出ることがありますが、これは排卵にともなう排卵期出血がおりものに混じったもので、大きな異常ではありません。
排卵期だけではなく月に何度も血液が混じったおりものがある、また黄緑色のおりものが出た場合は、性行為感染症や子宮頸がんなどの大きな病気が原因になっているおそれがあります。また、においがいつもと違う、かゆみが強いなどの場合も注意が必要です。
黄緑色のおりものを放置すると腟内の炎症が広がって不妊の原因になることもあります。ぜひ婦人科を受診するようにしましょう。
女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、骨の新陳代謝に大きく関連しています。そのため閉経を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると、急激に骨密度が減り骨密度が低くなり、骨折しやすくなります。同年代の男性よりも女性のほうが骨粗しょう症になりやすいのは、女性ホルモンが関係しているためです。
特に高齢になると、骨折は寝たきりになる大きなきっかけのひとつです。婦人科での骨密度測定などを定期的に行い、必要があれば薬による治療、生活スタイルや食生活の見直しなどを行いながら、骨折しない体づくりを行っていきましょう。
「避妊薬」としてのイメージが強いピル(低用量ピル)ですが、子宮内膜症の予防や、受験・修学旅行時の月経移動などにも大きく効果を発揮します。
「ピル=避妊薬」という古い固定概念は捨て、患者様やお子様ご自身の健康のためにも役立つことがあるとぜひ知っておきましょう。
また月経移動においては遅らせる方法と早める方法があるため、ずらしたい時期の2カ月前に来院していただくと、よりよい方法が選択できます。
自由診療の場合は、3,000円~5,000円(税込み)となります。