ドクターインタビュー

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「母子の命と健康を守りたい」
という強い思いとともに歩む医師人生

先生は久留米大学病院などで研鑽を積まれたそうですね。

叔父が外科の医師で、その影響で医学の道を選びました。その中から婦人科を選んだのは、外科的な治療ができること、そしていとこが婦人科の医師をしていたことがきっかけのひとつだったように思います。

久留米大学に進み、その久留米大学病院などにも勤めました。そこで感じたのが「もう少し早くこちらに送ってくれたら…」という悔しい思いでした。当時は今ほど医療も発達しておりませんでしたし、ほんの少しの差で助からない命があったことは、いまだに忘れられません。

「お母さん・赤ちゃんファースト」の思いはそのご経験から生まれたのでしょうか?

そうですね。赤ちゃんの状態が悪くなってしまう原因にはさまざまな理由がありますが、かかりつけ医の判断、そしてお母さんが自分自身に厳しくいられるか、このふたつは非常に大きいと感じています。私はちょっとでも気になることがあれば、信頼できる病院やその先生に「ちょっと今から患者様を送るから、診てくれないか?」とすぐに連絡し、診察・検査をしてもらうようにしています。

そこで「なんともなかったよ」と帰ってくるなら、それ以上にうれしいことはないではないですか。「もう一週間早ければ切迫早産などにはならなかったのに…」と唇を噛んでいた頃に比べれば、ほんとうにうれしいことです。

「お母さんが自分に厳しくする」とはどういうことでしょうか?

お産は簡単ではありません。もちろん出産の数日前まで働いているという方もおられますが、すべての方がそうではありませんね。医療が現代のように発達する前は、出産後にお母さんが亡くなるということは別段めずらしいことではなかったのですから。それくらいに難しく、同時にこれ以上なく尊いことです。お母さんにはご自分と赤ちゃん、二人の命を守っていただくような行動をとってほしいのです。

例えば体重管理などもそのひとつ。人間はどうしても自分を甘やかしてしまうので、ときには厳しい言葉をかけるときもありますが、それはお母さんと赤ちゃん、そしてそのご家族の未来のためだということを感じ取っていただけるとうれしいです。

女性ホルモンを深く学び、
変化する女性の体に適切にアプローチ

婦人科で注力しているのはどんなところでしょうか?

女性特有のお悩みである女性ヘルスケア領域です。まずはPMS(月経前症候群)、月経不順、無月経など月経にまつわるもの。つぎに子宮がん、卵巣がん、子宮頸がん、乳がんなどにつながる乳腺のチェックなど、命にかかわる疾患の早期発見・早期治療。そして更年期障害を含む女性のライフステージの変化による体への影響です。

女性の体は年齢によって大きく変化し、それにともなってかかりやすい疾患も変化しますが、それらに通じるのはいずれも女性ホルモンです。女性ホルモンを勉強することが女性のお悩みには欠かせません。

婦人科の診察で心がけているのは何でしょう?

こちらも産科と同じで、患者様ファーストです。女性ホルモンはストレスにも大きく影響を受けますし、特に更年期障害での症状には、めまいや動悸などは生活習慣病などとも混同しやすい症状があります。そのため、婦人科の疾患か、そうではないか、その診断をきちんとつけることが大切ですね。患者様の生活スタイルなどにしっかりと耳を傾け、薬を出すにしても「処方して終わり」には決してしない。そう心につねに留めて診察にあたっています。

母子ともに健康に過ごしていくための
「よろず相談所」

アーユルヴェーダなどを導入しているのも印象的ですね。

繰り返しになりますが、お産はお母さんの体に非常に大きな影響を与えます。お産前の体調管理も当然ですが、産後はホルモンバランスが崩れやすく、その中で育児に奮闘するのですから、お母さんのリカバリーや休息も非常に大切です。

当院では漢方薬、マタニティエクササイズなど、通常の産婦人科の治療だけではない方法も取り入れています。中でもアーユルヴェーダは本場インドでの専門医を取得している先生に来ていただき、お一人お一人に応じたアドバイスを行っています。また基山町の産後ケアの一環として、育児の相談、授乳の相談・乳房ケア、そして体や心の相談にも応じています。

最後に、ホームページをご覧の方へメッセージをお願いします。

産婦人科の医師として思うのは、女性の方が身体や健康のことで何か悩みがある時、ぜひ真っ先に私のような産婦人科医を頼っていただきたい、ということです。産婦人科は、命の誕生から、月経、お産はもちろん、更年期以降も、女性のための医療を提供しているからです。大学病院で学んだ分野と西洋医学、東洋医学を合わせた、和洋折衷な診療を提供しこれからも女性のあらゆるお悩みに対応していきたいと考えています。

また、開業後は必要に応じて、内科などの勉強もしてきましたので、「どこの科へ行っていいかわからない」といったような症状の際もご相談ください。対応できる医療機関をご紹介いたします。

何か身体について不安なことや、どこの科へ行ったらわからないなどありましたら、気軽にいらしてください。女性のあらゆるお悩みに対する「よろず相談所」の役割を果たしたいと思っています。